2015年6月16日火曜日

図書館のボイラー移設の変な工事:明徳館冷温水機環境対策工事


近くにある市立図書館 明徳館という名称
命名権の販売事業のようなもので
地元の銀行名を冠した
ほくとライブラリー という名称もある

秋田市都市景観賞受賞(昭和58年)
東北建築作品賞表彰(昭和60年)
建設省公共建築百選顕彰(平成10年)
(設計:谷口建築設計研究所)

いまは工事中で見た目がよろしくないが
上記のように景観や建築作品として表彰されている



いま図書館では何の工事中かというと
これを移動させようとしている
昨年造られたばかりの木質燃料を利用したボイラー
図書館の空調に利用されているはずのもの



後ろから見るとこんな感じ
図書館の奥まった場所で人目につきにくい
でも人家にすぐ隣接した場所で
昨年の建築中から 大丈夫だろうかと心配していた



図書館の建物とは
このように太く目立つ配管で結ばれている
右奥に写っているのは隣接している家

いきなりこんなものが隣にできたら
まずは見た目が嫌だが
音の問題や安全性などが気になってしまう
熱や臭いなどもどうなのか気になるが
なにか問題があったからの移設なのだろう



工事の表示板がこれ
「明徳館冷温水機環境対策工事」とある
これでは何の工事がよくわからないが
 やることは昨年造ったばかりの設備の移設工事

工事名称は 工事の中身をごまかしているようで
ちょっといやらしい
一般人には中身を知らせないための表示板となっている

おそらく問題が発生しての移設だろうが
見込みが甘く無駄な工事と思われる
まるでそのことを隠すかのような表示板は
適切なものか疑わしい



移設場所は こんどは目立つ
千秋公園への主な入り口となる坂のすぐそば
坂の途中から撮影するとこんな感じ
実際に目で見ると
基礎部分の視界の占有率はもっと高いように思う
基礎の上にボイラーの構造物が載ったら
かなりの大きさになるだろうし
異様な感じがしないだろうか

工事が始まった時から怪しいと思っていたのだが
基礎ができたところで何をするのかが
だいたいわかった

なんて馬鹿げたことをするんだろうと
一人思いながら散歩をしていたのだが
いくら何でもひどすぎるかなと思う
不足しがちな駐車場にでもしたほうがまだましかも

公園の入口として見た目も良くないし
図書館の横は 前は散策路みたいになっていたのに
敷地内の緑化された一角がこれでは台無しだ
ここは公園の中よりも桜がきれいに咲く場所
そういえばアナグマが来ていたこともあった
公園内と違いあまり荒れた感じもなかった

図書館の最初の設計時に
公園に接した場所にある施設として
駐車場などにはせずに 公園側は緑化したのだと思う
30年以上前だが
ここは 昔の明徳小学校のグラウンドだった場所だ
土のグラウンドから緑化した区域になり
それは 公園にとって悪くない変化だったはず

公園に向かう坂道を登って行くと
左手には堀跡の池(いまは汚いけど)
右手には緑地
図書館正面に立って見れば
図書館の緑地と公園が一体化して見える
これが今回の工事が始まる前までの
この場所の基本的なデザイン

工事名称の「明徳館冷温水機環境対策工事」
とはうらはらに
図書館の景観や千秋公園の環境が悪化するのは
避けられないのではなかろうか

公園の一部と言ってもいいくらいの場所だが
用途地域では城跡の公園に隣接する風致地区
風致地区に関しては
市の都市整備部都市計画課の管轄のようだ
景観についての管轄も同じ都市整備部
市の景観マップというものにも
千秋公園の景観は記載がある

風致地区の建造物には以下のようなことが求められると
市のホームページに書いてあった

/////////////////////////////////////////

位置、形態、意匠が
その土地および周辺の土地における風致と
著しく不調和でないこと。

変更後の色彩が
変更の行われる土地およびその周辺の土地の区域における
風致と著しく不調和でないこと。

/////////////////////////////////////////

さて 風致地区に求められる景観に今回の移設は
合致しているのだろうか
明徳館の都市景観賞は返上しなくても良いんだろうか
文化的施設としての図書館で
こんな工事は悲しすぎないだろうか

城跡の公園であり
まちづくり・街中観光の中核とされる千秋公園だが
公園の劣化を感じているのは私ばかりではない
昨年の二の丸の工事も景観にはマイナスだったと
個人的には感じている
公園の土はやせて 水場はドブと化している

そして こんどは
公園の入口に ボイラーの移設
本当は公園なんてどうでもいいのかもしれない
都市公園は街の顔だと思うのだけれど・・残念

工事の発注者は秋田市長
工事監理者は 秋田市建設部建築課
千秋公園を管理する公園課も
建設部に含まれているのだが・・・
風致地区としてはすでに書いたように都市整備部の管轄
図書館は 教育委員会だろうか?

ところで このボイラー 木質系でエコと思いきや
実は性能はあまり良くない 
館内の従来の空調設備も稼働させているはず

昨年造ったばかりで 解体・移設でお金もかかるし
実際のところは 全然エコじゃないような

ちなみに入札システムに記載されていた
今回の「明徳館冷温水機環境対策工事」の金額は
予定価格 15,630,000円(税抜き価格)となっていた
税込みだと1690万円近くになる
さらに設計や工事の監督業務は どうやら別料金のようなので
総額はもっとかかっているのかもしれない

役所の責任者の考え方はわからないが
私にはおかしなことをしているように見える
税金による工事で 自分の懐はいたまないからと
安易な工事で 市民を馬鹿にしてはいないだろうか
工事の名称からも どこかあざとい感じが漂う
環境に対するセンスも無さすぎではないか
そんな感覚を覚える

これも補助金ありき?の事業の末路だろうか
近くの「なかいち」という再開発地区もお寒い状態だが
どちらも工事ありきの事業の繰り返しのように見えて
ちょっとがっかりしてしまう
どちらもまだ新しいのに つい末路と書いてしまった
希望が感じられないからだと思う

今回の工事では
出来上がった基礎の上に 構造物ができてくると
とたんに目立つものになるはずなので
市民からの苦情も出るかもしれない
その時には もう止められません となりそうだが
拙速な工事になっている気がして心配だ
もう一度移設ということもあるのではないだろうか

近隣の住民にとって問題となることは
すみやかに改善してほしいが どうせ移設するなら
図書館以外の別の施設に持っていくのが良策と思える
どうしても図書館ならば
屋上にでもどうぞと言いたい
文化施設らしく 環境・景観にも配慮して欲しい
だいたい図書館は予算がなくて本が買えないのに
こんな変な工事をしているなんて・・・

参考に
昨年度の市の図書購入費は1995万円ほどらしいが
本来必要と思われる半分にもならない予算とのこと
今回の工事の金額があれば
図書購入の予算が倍近くになるのにね

低水準の図書購入予算では
蔵書を一巡総入れ替えするのに30年かかると
以前報道で読んだ記憶があるが
近くの「なかいち」が美術・文化で人を呼ぶとか
昨年は国民文化祭で文化・文化と騒いでいたのに
文化的施設の代表とも言える図書館がこれでは
文化という言葉が軽薄になってしまう

変だと思っても 多少のことには目くじら立てず
マイナス思考になってしまいそうなことは
書くのはやめようと思っていたのだけど
ついついこんなことを書いてしまった

だって 変な工事すぎるんだもの
公園に行くたびに ボイラーを見ることになるなんて
気持ち良くないし変だと思うんだな

工事が止まったりすることは無いだろうし
まもなく工事は終わるのだろうけども
私と同じように 変な工事だなと思ったら
この工事のことを人に話してほしいな
内容がわかりにくい工事名の表示板があるということは
たぶん 多くの人が
工事の中身を知ったほうが良いということなんだと思う



変な工事で気が滅入るけど
咲き始めたきれいなあじさいを見て
気分を一新


*明徳館のボイラーについての全記事は
「80明徳館 」のラベルでまとめました